コンテンツへスキップ

産まれた!

股の間から出てきて、ほにゃーと泣いた(鳴いた?)我が子にとりあえず一安心。まだいろんなものがくっついたままの我が子を股越しに見せてもらいました。我が子の第一印象は、エコー画像で見たとおりのまん丸顔だー、可愛いなー、ずっと前から知ってたような気がするなー、でした。よく来たね・・・とそっと触れてみたのもつかの間、へその緒を切られた我が子は医師から助産師さんの手に渡り、私のすぐ横で素早く産後の処置をされています。私の出産した産院では特に問題のない場合は出産直後、まだ体をきれいにする前に母親のお腹の上にべちゃっと乗せてくれたり、きれいにした後も分娩室で授乳したりして2時間ほど母子が一緒に過ごしたりするようなのですが(いわゆるカンガルーケアというやつ?)、我が子の場合は破水からかなり時間が経っていたり、どうやらちょっと呼吸が上手くいってない状況があったそうなので、簡単に拭かれた後、すぐに小児科の方に運ばれていきました。

そして、ほっとしたのもつかの間、急いで胎盤娩出に移ります。胎盤が自然に出てくるのを待つのかと思いきや、医師と助産師さん2人がかりで私のお腹をグイグイ押して力付くで胎盤を剥がしにかかってきているのがわかります。ひっついてて取れないわーなんていう会話を聞きつつ、結構強く押してくるなーと思っていると、やがてずるっと引っ張られる感じがして胎盤が娩出されました。そしてその後すぐに、裂けたお股を縫う処置です。どうやら会陰切開した部分以外もかなり派手に裂けていたようで、お尻の方、横の方、中の方も縫っている感じでした。数えてはいませんが20針以上は縫ったと思います。3、4回は麻酔の注射を打っていたのですが、おそらく麻酔が効く前に縫ってるようで、結構痛い。場所が場所だけにプツッと刺されてる感じとツーっと糸で引っ張られる感じが非常に気持ち悪い。自分でどれだけの傷になっているかわからないので、一体何針縫うのですか、私のお股はどうなっているのですか・・・と不安がつのります。そしてやっと縫合が終わったというくらいの頃、なんと隣の分娩室に次の妊婦さんが来た、という事でバタバタと医師たちは次のお産のためにいなくなってしまいました。

あっという間に私と夫だけが分娩室に取り残され、急に静かな時間が訪れました。あんなに痛かった陣痛は嘘のように消え、少ししぼんだお腹だけが残され、自分の事ながらこの怒涛のような流れに完全に置いてきぼり状態でした。ここに我が子もいたらよかったのにな、とも思いましたが、子の安全には変えられません。出産直後の赤ちゃんべちゃっと乗せられたり、乳を含ませたりするのを少し楽しみにしていたので、それが出来なかったのが残念ではありましたが、この後会えるのが楽しみだーと思っていました。

その後、昼食取りますか?という声かけがあったので、急に空腹を思い出し、分娩室で夫に食べさせてもらいながら完食。出血が多めだったとの事なのでその後もちょっと長めに休憩し、(その間に隣の分娩室からは無事産声が聞こえてきました)車椅子に乗せてもらって分娩室から病室の方に移りました。

病室に案内され、ベットに横たわると急に眠気と疲労感に襲われました。同じく限界の近い夫を見送って、私も眠りにつきました。

新生児一過性多呼吸・・・?

2時間ほど眠って夕方6時半頃、看護師さんに声をかけられて起こされました。その時、小児科の医師から、息子に新生児一過性多呼吸の疑いがあるので安定するまで保育器で様子を見るとの説明を受けました。赤ちゃんがお腹の中から外に出たばかりで呼吸がうまくできないだけなので、心配する必要はないとの事ですが、保育器に入っている姿を見ると、かわいそう、ごめんね、という気持ちが湧き上がってきます。私がうまく産めなかったから苦しんでいるのではないか、もっと早く外に出られれば苦しまなくて済んだのではないか、と自分を責めました。

そんなわけで、出産初日の夜は息子とは離れ離れで過ごしたのでした。母児同室の4人部屋だったので、夜中も他の赤ちゃんの泣き声が聞こえたり、お母さんたちの授乳する気配がしたりで、ひとりぼっちの私はずいぶんさみしい思いをしました。しかし、昨晩からお産で一睡もできず、今はお股の痛みで座る事もままならない自分にとっては、一晩ぐっすり眠れたのはかえってありがたくもありました。